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『人間らしい死と自己決定――終末期における事前指示 ドイツ連邦議会審議会中間答申』

ドイツ連邦議会「現代医療の倫理と法」審議会, 20061220, 知泉書館) xii 212p  ASIN: 490165487X 3600+税


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◆Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913, Zwischenbericht der Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, Patientenverf?gungen, , (=ドイツ連邦議会「現代医療の倫理と法」審議会, 山本達監訳・松田純・宮島光志・馬渕浩二訳, 20061220, 『人間らしい死と自己決定――終末期における事前指示 ドイツ連邦議会審議会中間答申』, 知泉書館) xii 212p  ASIN: 490165487X 3600+税 [amazon][boople] oi

内容(「BOOK」データベースより)
終末期の病床の中で人間らしく死ぬことは可能か?終末期医療のあり方を事前指示書によって規制する。本書は生命科学から人文・社会諸科学にわたる専門家と議員が、欧米諸国の状況をも視野に入れ、生命倫理に関する立法のために、実践的で具体的な観点から徹底的に議論した画期的答申である。

内容(「MARC」データベースより)
終末期の病床の中で人間らしく死ぬことは可能か? ドイツ連邦議会「現代医療の倫理と法」審議会が2004年9月に発表した報告書の全訳。「患者による事前指示」に関する詳細な提言をまとめる。人工呼吸装置をはずすのは是か非か。「死」という極めて個人的な問題を権利として主張する激しさと痛切さ。アメリカの経験を振り返る。


■目次

日本語版への序文

要約

I 序論
 1 報告書<患者による事前指示(Patientenverfugungen)に寄せて
 2 前もっての指示(Vorausverfugungen)の種類
 3 死と<死に行くこと>の扱い方
 4 論争の展開

II 倫理的考察
 1 情報を与えられたうえでの自己決定の表出としての患者による事前指示
 2 保護(Fursorge)と正義との脈絡での患者による事前指示
 3 患者による事前指示の意味と射程についての議論
  3.5 積極的安楽死への開扉としての患者による事前指示
  3.6 <死に行くのではない人>としての患者による事前指示
  
III ドイツでの法的情勢
 1 憲法上の基礎
 2 民法上の諸原則
 3 判決と文献による法的な現況
 4 規制の必要
 5 臓器移植法と患者による事前指示との関係

IV 任意に選ばれたヨーロッパ諸国における法的情勢
 1 ベルギー
 2 デンマーク
 3 フランス
 4 イギリス
 5 オランダ
 6 ノルウェー
 7 オーストリア
 8 ポーランド
 9 スウェーデン
 10 スイス
 11 スペイン

V 規制選択肢
 1 射程
 2 拘束力
 3 有効性の諸前提
 4 妥当性の継続
 5 撤回
 6 供託
 7 世話人の必要性
 8 患者による事前指示を実行に移すこと

VI 結論と提言
 1 患者による事前指示の拘束力
 2 患者による事前指示の射程
 3 有効性の諸前提
 4 患者による事前指示の作成のための付帯的提言
 5 患者による事前指示を実行に移すこと
 6 後見裁判所の関与
 7 提言の実施のための法案
 8 将来に備えた全権委任あるいは世話に関する指示との結合
 9 連結の禁止
 10 患者による事前指示と臓器提供
 11 結び注釈

補遺 少数意見

出典注
「現代医療の倫理と法」審議会の委員名簿
付録・報告資料
 ヨハネス・タイラー: <患者による事前指示>に向けた諸々の新しい法律草案
 ヨハネス・タイラー: 安楽死論争の行き先
監訳者あとがき
文献一覧
索引



■引用

>目次

要約

※「この要約(Kurzfassung)は、報告書「患者による事前指示」の公刊後、まもない2004年12月にドイツ連邦議会「現代医療の倫理と法」審議会の事務局により編集・公表された(編集者は、ローラント・キプケ(Roland Kipke)、Dr.アレクサンダー・トロッヒェ(Alezander Troche)で、執筆責任者はコルネーリア・ベーク(Cornelia Beek)である)。」本書訳注1)より

 「患者による事前指示のさまざまな形(Patientenverfugungen)について議論になっている。その倫理的・法的判断について論争になっている。なぜならその妥当する前提条件が不明確であるからである。[……]この提言は、患者による事前指示の法的安定性をより確実なものにし、事前指示を基本的に承認しつつ、同時にそれらの限界についても明確に規定することを目指している。
 しかしながら患者による事前指示は、私たちの社会のなかで死に行く状況を人間らしいものに変えていくための唯一の手段ではないし、最も重要な手段でもない。このことを報告書が思い違いをさせてはならない。[……]」 (Beek, 200412=20061220: xiii)


 「〔患者自身による〕自己拘束への権利に対するこうした制限を数多くの理由が支持している。その最重要なものは下記のようなものである。
 ・事前の指示と現時点での意思表明とを同じものとして同等に扱うことはできない。[……]自己決定権をそのまま行使することが問題なのではなく、予測困難な状況に対して単に一つの枠組みを示しうるにすぎない事前指示をどう扱うかが問題なのだ。
 ・重い病をかかえた人が、生きることへの自らの態度をしばしば変えたり、病気と制約をかかえて生きる状況を、事前に健康なときに想像していたよりも、肯定的に評価するということは、繰り返し見られる経験である。
 ・人の生命を保護する国家の義務からは次のような義務が生まれる。すなわち、年老いた人や病人に対して、彼らが行為能力やコミュニケーション能力を失った場合に、彼らの事前指示に基づいてその生を終わらせるという圧力が行使されるような雰囲気が生じるのを避<xv<ける義務である。
 ・死に行くことに関する願望なるものは、個人が孤立して決断した過程の結果であるだけではなく、メディアの動向や社会の趨勢の影響を受ける。」(Beek, 200412=20061220: xv-xvi)

 「「疑わしきは生命のために」という医療倫理学の原則がもつ定評ある保護機能は安易に放棄されてはならない。さもないと、生命を保護せよという命令、および治療不履行によって死を招いてはならないという禁止が、患者による事前指示によって全般的に中立化されてしまうであろう。それによって、要請に基づく積極的な殺害に対する拒否も結局は疑問視されることになろう。」(Beek, 200412=20061220: xvi)


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3 患者による事前指示の意味と射程についての議論
3.5 積極的安楽死への開扉としての患者による事前指示

 「[……]危惧されるのは、患者による事前指示が進むと、重い疾病や終末期の場合に医療措置をますます公使しなくなったり、早くに停止したりすることへの密かな社会的圧力が生じるのではないかということである。フランコ・レスト(Franco Rest)は、「自殺・自己精算へのプロパガンダ」について語る。そのプロパガンダは、多くの書式のなかに隠されており、患者による事前指示運動を拒否する理由になる、と言う。」

 「とりわけ言えることは、だが、患者による事前指示は<死に行くこと>と関わる際に生じる個人的・社会的問題を解決するために必要な決定的道具立てとして、それだけを切り離して考察することは許されないということである。必要なのは、包括的なコンセプトである。それは、<死に行く人>とその親族があらゆる面で支援されていると感じ取るためのコンセプト、それと同時に、困難な人生段階が蔑視されたり、自殺幇助や殺しが志向された<29<りするような温床を取り去るためのコンセプトである。そうしたコンセプトにとって特に必要なのは、緩和医療とホスピス制度の強化である。」
(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 29-30)


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 1 ベルギー

 「終末期の治療を断念することを目的とした患者による事前指示は、ベルギーでは2002年8月22日の「患者の権利に関する法律」に明確な法的根拠を得ている。[……] これと同じ項目で強調されているのは、そうした治療拒否が「患者の権利に関する法律」で患者に認められた質の高い看護を受ける権利を制限するものではない、ということである。[……] だが、ベルギーでは、患者による事前指示の諸規定はたんに治療の断念を包括しうるだけでなく、積極的安楽死をも包括しうる。患者が積極的<0057<安楽死を希望する事前指示(wilsverklaring/declaration anticipáe)は、2002年5月28日の「ベルギー安楽死法」で法制化されており、この法律は同年9月末から施行されている。」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 57-58)

 2 デンマーク

 「デンマークにはすでに1992年から、患者による事前指示に対する独自の法的規制がある。「患者による事前指示に関する法律」によれば、あらゆる成人は事前指示書を作成する権利を持つ。[……]1998年10月1日に施行された「患者の権利に関する法律」(Lov om patienters retsstilling)は患者による事前指示の拘束力をより強固なものとし、その第17および18項で事前指示との関わり方をはっきりさせている。[……]
法律によって、患者による事前指示のための全国的な登録制度が設立されている。これは健康保健省が管轄し、コペンハーゲン大学付属病院(Rigshospitalet)によって運営されている。もはや意思決定のできない患者がある重大な局面にたたされたとき、医師は治療を始める前に、事前指示書の登録先に、その患者による事前指示がそこに残されていないかを問い合わせなくてはならない。」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 58-59)

 3 フランス

 「患者による事前指示はフランスでは周知の議論であって、「生命(の終焉)の宣言」(testament de (fin de) vie)または「事前指示」(directives anticipées)ないし「前もっての指示」(directives préalables)と呼ばれている。しかしながら、患者による事前指示の特別な法制化は、これまでなされていない。患者による事前指示はADMD〔尊厳死協会〕などの協会によって宣伝されているが、大方の見解によれば、それは目下のところ法的効力を有していない。しかしながら、患者による事前指示は拘束力のない「方向づけの助け」(feuille de route)としてその正当性を持つといわれる。実際には、事前指示はほとんど広まってはいない。<59<
基本的にはこの数年間で、公衆衛生法典(Code de la santé publique CSP)において、患者の自律が強化された。[……]だが、もしも拒否によって患者の生命が脅かされるのであれば、意思には患者を説得して医学的に基本となるケアを受け入れされる義務がある。[……]
[……]フランスでは許容可能な消極的「安楽死」の領域がきわめて狭くて、それ以上の治療がどれも見込めないと判断される場合に限られている。死の到来を早めることはすべてそこから除外されている。[……]」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 59-60)

 4 イギリス

 「イギリスでは、患者による事前指示は、全国的なレベルでは法的に定着していない。[……]」<62<
「イギリスの判例は原則的には患者による事前指示を認めているが、その妥当性に制限を設けてもいる。[……]
 [……]自分の希望を事前指示書のなかで拘束力をもたせて確定する権利は、未成年に対しては明確に拒否されている。
イギリス医師会は患者による事前指示書を自己決定の有意義な道具と見なし、それに賛成しているが、その問題点と不利益も示唆している。[……]治療の決定は複雑であって、医学は不確実であり、臨床現場は絶え間なく変化していて、いつでも誤謬の可能性があることを、医師と世論は意識すべきである、ということである。耐えることのできる人生とはどのようなものか、その見方も変<63<化することであろう。先取りされた意思決定は、予見されなかった諸可能性を包括することができないのである。」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 61-64)

「権利と法律による拘束が、ここでは明確に強調されている、すなわち、「患者による事前指示はいかなる医師をも、法律に反したり日倫理的な仕方で行為するように義務づけることはできない」とされている。」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 65)

 5 オランダ

「患者が治療の中断ないし拒否を希望する事前指示の可能性と位置づけは、オランダ民法典(Burgelijke Wetboek)、より正確には「医学的な治療契約に関する法律」で明確に定められている。[……] ベルギーと同じくオランダでも、患者による事前指示書のなかで確認された希望は、その国の法的情勢に基づいて、治療の断念を超えて積極的安楽死をも包括しうる。こうした患者による事前指示は、その隣国〔ベルギー〕とちょうど同じく、別の法的根拠をもっている。その根拠は、2002年4月1日に施行された、「求めに応じた人生の終焉と自殺幇助との調整に関する法律」(Wet toetsing levensbeeindiging op verzoek en hulp bij zelfdoding)にある。<66<
王立オランダ医師連盟(De Koninklijke Nederlandsche Maatschappij tot bevordering der Geneeskunst-KNMG)の情報によれば、こうした両方の型の事前指示に対しては、医師の側でもしばしば態度を保留している。」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 66-67)

 6 ノルウェー

「ノルウェーの法律では、患者による事前指示の明確は法的根拠をもっていない。患者の了解が得られない場合の扱い方が規制されているだけである。保健衛生関連機関の従事者に関するノルウェーの法律の第7条によれば、医療スタッフは、そのケアが生命に不可欠であると強く思われる場合には、医学的なケアを全力で行わなければならない。「患者の権利に関する法律」に記された制限に従って、患者がそれに対する了解を表明できない場合でもない、それどころか、患者が治療に異議を申し立てている場合でさえ、必要とされる医学的なケアが行われなくてはならないのである。」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 67)

 7 オーストリア

 「[……]自己決定の権利およびそれにともなう〔医師の〕専断的治療措置の禁止(刑法典110条)は、議論の余地がない。しかしながら、いかなる条件のもとでもそうした指示が承認されうるのかは、さまざまに議論されている。立法者ないし司法によって問題が解明されているわけではない。
[……]
連邦各州は保健衛生の領域では立法権をもっておらず、それゆえ、州レベルでも患者による事前指示に対して何も規制がないのである。」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 68)

 8 ポーランド

「ポーランドの法律では、これまで、患者による事前指示について明確な法制化が行われていない。

前もっての指示の拘束力をすでに既存の法を基礎として受け入れる限り、この基礎はいずれにしても人生の終局に対する法的規制のなかに限界を見いだす。積極的な「安楽死」(eutanazja czynna)は禁止されており、殺人として処罰される。医師による自治の範囲内で発布された医の倫理綱領(Kodeks etyki lekarskiei-KEL)もまた、医師た<70<ちはその諸原則を法律に基づいて守らねばならないが(医業に関する法律第4条)、「安楽死」の禁止を明確に定めている(KEL第31条)。それに対して「消極的安楽死」(eutanazia bierna)の問題は、そのように一義的に定められてはいない。倫理綱領の想定によれば、医師は死に行く段階で蘇生のための措置ないし「執拗な」集中治療を導入したり遂行する義務を、あるいは通常とは違う手段を用いる義務を負ってはいない(医の倫理綱領第32条)。
患者の少なくとも「人工的に維持された生命」(antydystanazia)を継続しない権利の承認と併せて、上述した患者の自律に対する規制に照らして、さらには患者が、たとえそれが死をもたらすことになっても、あらゆる(通常のものであれ通常とは違うものであれ)治療措置を拒む権利を有する、ということまでも現に強調されている。ある見解によれば、患者はそうした場合には事前指示に関してこれを完遂できねば[な](大谷注:「な」を補充。本書の校正ミスと思われる)らないが、他の人々は、これは――明確な規定ない以上――現時点ではまだ不可能である、と考えている」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 70-71)

 9 スウェーデン

 「患者による事前指示は法的な拘束力をもたないが、そこで確認された言明は医師たちによって顧慮されるべきであろうということが、さまざまに容認されている。[……]<71<
[……]患者による事前指示書が出されてはいるが、その数は多くはない。」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 71-72)

 10 スイス

「民法典の一部をなす新たな成人保護法では、その第373条に、患者による事前指示のための諸規定が想定されている。」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 72)

 11 スペイン

 「スペインでは2002年以降、患者による事前指示が全国的な立法によって定められている(Básica Reguladora de la Autonomía del Paciente y de Derachos y Obligaciones en Materia de Información y Documentación Clínica, 2003年5月発効))。[……]
患者には事前指示をいつでも撤回する可能性が認められているが、ただし文書による以外には方法がない(第11条第4項)。
[……]この法律は保健衛生省のなかに全国的な事前指示書の登録制度を創るように求めている(第11条第5項)。
[……]<76<
[……]この法律は患者による事前指示書が1人の公証人ないし成人3人の証人を目の前にして署名されることを求めているが、それらの証人のうち少なくとも2人は、作成者と1親等ないし2親等の親戚関係にあってはならないし、また作成者に対して相続請求権を有していてもならないのである(第8条第2項)。」(Enquete-Kommission Ethik und Recht der modernen Medizin, 20040913=20061220: 76-77)」


>目次

付録・報告資料
 ヨハネス・ライター:<患者による事前指示>に向けた諸々の新しい法律草案*1)
  ※*1) Reiter, J., Zwischen Klonen und Sterbenhilfe. Wird das Mögliche zum Maßstab des Erlaubten?, in: Herder-Korrespondenz 59(2005)Heft 8, 398-403で報告・記載されている「患者による事前指示」に直接関係する部分の訳出
 ヨハネス・ライター:安楽死論争の行き先*2)
  ※*2) Riter, J.,Wie geht es weiter? Bioethik und Biopolitik in der großen Koalition, in: Herder-Korrespondenz 60(2006) Heft 3, 128-133より、安楽死をめぐる論争のドイツの現況が照会されている部分の訳出
 ヨハネス・ライター:死に行く段階でこそ生命の保護*3)
  ※*3) *2)に同じ。

■年表
 ※本年表は、報告資料をまとめて作成

200502末 連邦法務大臣ツィプリース(Zypries)、患者による事前指示法案を撤回
20050308 ドイツ福音主義教会、事前指示の扱いに関する意見表明
20050310 連邦議会審議会による同テーマの報告書、わずかな出席者で討議
?    国会側、ヨアヒム・シュチュンカー(Joachim Stünker、ドイツ社会民主党(SPD)議員団法政策スポークスマン)による法案、自己決定権が前面に
20050602 国家倫理評議会、患者による事前指示についての意見表明:
      患者のほとんど無制限の自律と、射程限定の断念を出発点に置く
20050427  欧州評議会委員会、スイス人リベラル派ディク・マルティ(Dick Marty)によって起草された決議案(積極的安楽死の合法化に有利に働くのを無意識に勧めるもの)を大多数により否決(反対138、賛成26、棄権5)
 
 個々の法案と政治的陣営に沿って分類はされない。CDU/CSUもSPDも開放的なもの、制限的態度のものがいる。 が、FDPは全体的に開放的立場を主張。緑の党は制限的立場。
20051011 ハンブルク市法務大臣ローゲル・クッシュ(Roger Kusch, CDU)、ハンブルクの夕刊紙に、刑法典216条の改正に賛成する意見表明し議論に
      反響は圧倒的に否定的。諸教会、同盟[CDU/CSU]、SPDから批判
 ?    元法務大臣、ザビーネ・ロイトホイサー・シュナレンベルガー(sabine Leutheusser-Schnarrenberger)、積極的安楽死許容を主張。
      法務大臣代行ブリギッテ・ウィプリース(Brigitte Zypries、SPD)、法務大臣全体会議とともにクッシュ(大谷補注の主張?)を拒否。
20051231  連邦憲法裁判長官ハンス・イェルゲン・パピーア(Hans-Juürgen Papier)
      「殺しのタブーは、私たちの社会では破られてはならない。積極的安楽死を合法化すれば、その結果は、間違いなくそうした事態になろう。[……]起こりうるのはダム決壊の危険だけではない。誤用の危険、患者と医師に圧力がかけられるという危険でもある。」(Volkszeitung,ライプチヒの新聞)
2005末   連邦大統領ホルスト・ケーラー(Horst Khöler)、事前指示の有効性に関する法律の明確な規制を要求

■ドイツをとりまく情勢:
 スイスの機関「ディグニタス(Dignitas)」、2005年9月、ハノーヴァー市にドイツ支部を創設か   目標は積極的安楽死ではなく自殺幇助。肉体的には健康であった抑鬱性の精神疾患の病者たちにも致死性の物質を支給。
  同会会員4,800人の約3分の1、同会で幇助を要求した435人のうち半数以上がドイツ人。
 ニーダーザクセン州法務大臣エリザベート・ハイスター・ノイマン(Elisabeth Heister-Neumann, CDU)、これを避難
  「困難な生の状況に身をおく人々は「ディグニタス」のような団体によって、自らの問題の解決を自殺に求めるように安易に誘惑されるかもしれない。」
  同法務大臣、連邦参議院法案発議権により、自殺幇助の営業的斡旋にも事務的斡旋にも刑罰を科すことを発議。
  200602初、ニーダーザクセン州連立内閣与党FDP,拒否権行使により打ち切り。
 オランダ、200512より、致死的な病をもった新生児への積極的安楽死が免罪。 フランス、20060106、検察庁は、積極的安楽死事件の訴訟手続き停止の決定。(大谷注:アンベール事件の顛末か?)


大谷いづみ作成

UP:20070819 REV:●
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